2016年02月10日
お金は大事だよ~でも・・・


『しょうじき50円ぶん』
くすのきしげのり 作 / 長野ヒデ子 絵 / 廣済堂あかつき株式会社
兄弟2人の大事なおこづかい。
買い物した後に受け取ったおつりが少なかったら迷わず言いにいく。
でも多く受け取ったら、どうする・・・・?
得をしたら誰でも嬉しい。
けど、ズルして得したら・・・
兄弟の心の葛藤が丁寧に描かれたおはなしです。
昔の人はよく言いました「そんなことしてもおてんとさまはちゃんと見てるよ」
私も子どもたちによく言います
「そんなことしてもご先祖様がちゃんと見てるんだから」
たとえ目に見えなくても誰かが見てると思えば自制が効きます
でも今の世の中こんな言葉が通用しなくなってるように思うんですが・・・
どうすればいいのかは自分の“良心”が一番よく知っています。
正直に言ったら50円では買えないほどの感動を、この兄弟は手に入れました。
おはなしを聞きながら、子どもたちも自分だったらどうするかなーって、きっと
考えてくれたんじゃないかな。
『ゆうかんなアイリーン』
ウィリアム・スタイグ作 / おがわえつこ訳 / セーラー出版
出来上がったばかりのドレス。
お屋敷の奥さまに届けなきゃいけないのに、お母さんが風邪で寝込んで
しまいました。
お母さんの代わりに猛吹雪の中を、アイリーンはひとりドレスの入った箱を
抱えて出かけます。
途中何度も困難にぶつかり、大切なドレスが吹雪にさらわれとんでいって
しまいました。
さあ、どうするアイリーン
このままくじけてしまうのでしょうか・・・
子どもたちは心の中できっとアイリーンを応援してたはず。
お母さんのために頑張ったアイリーン、アイリーンの頑張りを誰よりも認めた
お母さん。
清々しい読後感です。
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17:02
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2016年02月09日
節分&立春&申年


『ソメコとオニ』
斎藤隆介・作 / 滝平二郎・絵 / 岩崎書店
子どもって、自分と同じ目線や同じ感性で遊んでくれる大人を瞬時に見分け、
どんなものでもどんな場所でも遊びに変えてしまう天才です。
天真爛漫なソメコの遊び相手に辟易してしまったオニ。
オニが出てくるのに怖さはなく、どこかユーモラスなお話です。
『ふゆめ がっしょうだん』
冨成忠夫・茂木 透=写真 / 長 新太=文 / 福音館書店
春の訪れを待つ、冬の木の芽たち。
拡大してみると、ウサギやコアラの顔に見えたり、帽子をかぶった子どもの顔
に似ていたり・・・
こんな楽しい冬の自然観察があったのか!!と思わず唸ってしまいます。
寒い冬でも、外では春を待つ木の芽たちの合唱がそこかしこから聞こえて
きそうでワクワクしますね。
『おさるとぼうしうり』
エズフィール・スロボドキーナ さく・え / まつおか きょうこ やく/福音館書店
申年にちなんで読んできました。
ぼうしうりとさるたちのユーモラスな攻防戦。
ぼうしを取られてわめき散らすぼうしうりの声を、さるたちがまねすると
「ツーツーツー」になるんですね。
どうやってぼうしを取り返せたかは、“さるまね”がヒントです。
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20:35
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2016年01月31日
シンプルに


『くつやのドラテフカ ポーランドの昔話』
ヤニーナ・ポラジンスカ 文 / ワンダ・オルリンスカ 絵
足達和子 訳 / 福音館書店
貧乏だけど心優しき青年が、旅の途中で困っていた動物たちを
助け、お城にたどりつきました。
そのお城にはお姫様がとらわれていて、魔法使いが見張っています。
今まで騎士や王子たちが何人も魔法使いに挑んでは果たせなかった
お姫様の救出。
無謀にもドラテフカは「おれがやってみよう!」と、声高らかに宣言します。
でも案の定、魔法使いからは無理難題を突き付けられ、ドラテフカは
頭を抱えてしまいます。
そこへ現れたのは、道々助けた動物たち。
ドラテフカは今度は彼らに助けられ、見事魔法使いに勝ち、お姫様を
助け出すことができ、2人は結婚して幸せに暮らしました。
いいですねー
単純明快なストーリー。因果応報、勧善懲悪のはっきりした展開。
これぞ子どもたちが最も好むお話。シンプルイズベストです。
読後感もスッキリ。
少々長めですが、子どもたちはとっても集中して耳を傾けてくれました。
長いお話の後は、おやつの絵本でブレイクタイム。
『にっぽんのおやつ』 白央篤司 / 理論社
こちらは『にっぽんのおにぎり』の姉妹本です。
47都道府県の代表的なおやつが紹介されています。
千葉県は、意外なおやつが載っていたので子どもたちはちょっと
驚いていました。県内でも地域によって差がありますからね。
みなさんの地域のソウルフードは何でしょうか?
canon
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08:23
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2016年01月20日
笑いのとれる1冊

ペーン・デュボア 文・絵 / 松岡享子 訳
岩波書店
私の大好きな絵本の1つです。
5年生の読み聞かせだった今日、どうしてもしっくりくる
絵本が選べず、さんざん迷って
(このおはなしで笑いをとりにいこう!)と決めました。
寒い朝、起きるのに手こずったり、ぬくぬくコタツから
抜け出せなくて動くのがおっくう・・・って子がいるかも
なんて、無理やりこじつけもして。
この絵本を初めて読んだ時の“笑撃”たるや。
トミー・ナマケンボくんのものぐさっぷりにもほどがあります。
子どもたちとゲラゲラ笑って、笑いすぎて先に読み進め
なかったことが今でも忘れられません。
『ものぐさトミー』と『いやだいやだのスピンキー』が
私の中の笑える絵本、?1です。
どちらがとは選べません。
しばらくの間は「そんなことしてるとものぐさトミーくんみたいに
なっちゃうよ」と教育的効果ももたらしてくれた絵本。
絵本のサイズとしては小さいですが、この小ささが逆に
おはなしのイメージをどんどん膨らませるのに一役かっている
のだと思います。
読み始めたとたんトミー・ナマケンボくんのとりこになっちゃう
仕掛けにまんまとはまってしまいます。
絵も笑いのツボをおさえていて、彼に起こった悲喜劇を
単刀直入に表現しているのが素晴らしい!!!
合わせて読んだのは
『もうぬげない』 ヨシタケシンスケ / BL出版
こっちは服をぬごうとしてもどうにもぬげなくなっちゃった悲喜劇。
笑える絵本2冊で、ピリッと冷え込んだ朝の空気が少しやわらかく
なりました。
選書に困ったらぜひ『ものぐさトミー』をお試しあれ。
canon
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19:51
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2016年01月20日
新年


今年は新年早々“何十年ぶり”という出来事が続きました。
15年ぶりの「宝塚観劇」、20年ぶりの旧友との再会・・・
嬉しいこと続きで、どうやら私の今年のキーワードは
『トキメキの再燃』でしょうか♡
年が明けて子どもたちに読み聞かせした絵本は
『カルタ』
大牟田市立三池カルタ記念館 監修 /
宮本貴美子・木村浩司 文 / 文渓堂
『十二支のことわざえほん』
高畠純 / 教育画劇
お正月の遊びといえばカルタ
といえなくなった昨今・・・
案の定「お正月にカルタとりした人いる?」と聞いたところ
誰からも手はあがりませんでした。
もしかしたら今まで1度もカルタとりをしたことがない子も
いるかも・・・・という考えも一瞬頭をよぎりましたが、
カルタの起源を読み、様々なカルタを写真で見せて、
カルタについて少しは知ってもらえたかなと思います。
ことわざえほんは、クイズ形式で楽しみました。
今年もいっぱい読み聞かせができるといいな。
canon
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18:10
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2015年12月27日
今年最後の読み聞かせ



クリスマスが過ぎ、新年に向けてのカウントダウンが加速してます
今年は自分が長年コツコツ積み重ねてきたことや想いがカタチに
なった年でした。
でもまだまだまだまだ未完成・・・
周りがパーフェクトと思っても自分のパーフェクトはそこじゃない!と
新たな壁を作って乗り越えていく羽生結弦くん。
彼を見習って、来年も現状に甘んじることなくやっていきたいなと
思います。
さて、絵本屋にじのぽけっと並びにおはなしポンテ、今年最後の
活動の場は、市内の井橋歯科医院さんによばれての読み聞かせ
でした。
昨年より参加人数が増え、しかも相方のふみちゃん不在ということで
ちょっぴり緊張感をもってのぞみました。
でもはじまってみると子どもたちとのやりとりがとっても盛り上がり、
これぞおはなし会!!!
という雰囲気になり、あっというまの時間でした。
参加型の絵本で楽しみましたよ~
『いーれーてー』
わたなべ あや / アリス館
1~3歳のお子さんが多いと事前に聞いていたので導入に選びました。
「いーれーてー」 「いーいーよー」
の言葉のかけあいでおはなし会に誘います。
2歳の女の子がかわいらしい声でこたえてくれました♡
『ゴリラのおとうちゃん』
三浦太郎 / こぐま社
クリスマスから年末年始にかけてはいつも忙しいパパもひと休み。
そんなときこそおもいっきりパパとのふれあいタイム!
パパならではの遊びのヒントがいっぱいつまった楽しい絵本です。
思わず笑顔がこぼれます。
ちょっとしたクリスマスの遊び小道具もまじえ・・・
『サンタのおまじない』
菊地 清 作・絵 / 冨山房
「いち にい サンタ!」のかけ声でやさいたちが次々変身!
何に変わるかな?
クリスマスの楽しい雰囲気にピッタリの絵本です。
最後は「もっかい読んで!」のリクエストがあったので
「いーれーてー」を読んで終了。
それなりに場数を踏んできたので、子どもたちのふいのリクエストに
こたえたり、おはなしの導入やつなぎ、そしてしめの言葉もその場に
合わせてアレンジできるようになってきました。
来年もたくさんの笑顔と素敵なおはなしに出会いたいな。
今年も絵本屋にじのぽけっと&おはなしポンテ、大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
みなさま良いお年をお迎えください~
canon
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11:41
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2015年12月21日
嬉しくてつい・・・

初めてのことにしり込みしてしまう
状況の変化にとまどってしまう
場面の切り替えが苦手
言葉に遅れがある
身体の使い方がちょっぴりぎこちない
こだわりが強い
人とのやりとりが苦手
人は誰しも多かれ少なかれ、成長・発達の
段階ででこぼこがあります。
大人になってもまだ成長し続けてると言っても
過言ではありません。
私もいまだにここだけはどうしても昔のまま・・・
という心のクセとか、行動があります。
でこぼこの“でこ”だらけ・・・?
発達のでこぼこが、他の人に比べて
ちょっとだけ目立ってる
そんな子どもたちの前で絵本の読み聞かせを
するという貴重な機会を得ました
ですが、正直不安でした
まず絵本に対する興味があるかどうか
おはなしへの興味がわくかどうか
集中して聞いてくれるかどうか
本番当日まで不安がぬぐえませんでした
そしていよいよそのときがきて・・・
私の不安は一瞬でふきとびました。
おはなしが始まったとたん、部屋にいた
どの子も絵本に視線を注ぎ、絵本との
やりとりを楽しみ、その場を離れず
最後まで集中が途切れることなく聞いて
くれたのです。
これはもうほんとにすごいことです。
ここはあのいつものにぎやかな教室???
さっきまであんなにザワザワしていた同じ
空間で、
子どもたちが一瞬で切り替われた
状況の変化に対応できた
ただ1つのことに集中できた
引っ込み思案な子が一生懸命絵本の
語りにこたえてくれた
絵本が一瞬のうちに子どもたちの中に
ある可能性とか、感性とか、感情とか
色んなキラキラしたものを引き出してくれた
そんな貴重な時間となりました
絵本ってほんとにすごい
改めてそう思いました
絵本、そして子どもたちから教えてもらうこと
たくさんあるなぁ・・・
その夜は嬉し過ぎてふだん全然飲まない
お酒を飲んでしまいました(ノンアルですけど)
canon
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08:18
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2015年12月08日
2015クリスマス絵本


2015クリスマス絵本、入荷しました。
クリスマスギフトにどうぞ手にとってみてくださいね
店長オススメは
『だんろのまえで』
鈴木まもる / 教育画劇
パチパチと燃えるまきの音
あかあかと燃える暖炉の火
暖かな部屋の空気
ゆらっとゆれるろうそくの炎
ほの暗い部屋の中で感じる動物たちの息遣い
やわらかくあたたかなものがこの絵本全体から
読み手の心と身体に沁みこんできます。
読んでいると、本を持つ指先があたたかな熱を
おび、やがて全身にその熱が伝わってきます。
この絵本を読み終わったとき、きっと生きる力が
わいてくるはず。
疲れたあなたにぜひ手渡したい癒しの絵本です。
クリスマスギフトに迷ったらにじぽけへ!
お待ちしております♡♡
canon
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21:55
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2015年12月08日
情けは人のためならず


12月に入ったので冬支度、冬ごもりの絵本を読んでほっこりしたいなと
思って選んだのがこちら
『ロシアのお話 ハリネズミと金貨』
V・オルロフ 原作 / 田中 潔 文 / V・オリシヴァング 絵 / 偕成社
ロシアにはこんなことわざがあるそうです
「100ルーブルより100人の友を持て」
本当に困ったときに頼りになるのはお金ではなく “人” である
このお話に登場する動物たちのように、困った人を助けることが
押しつけがましくなく、さらりとできるといいなと思います。
1つの親切がまた次の親切をよび、温かな人と人とのつながりを
しみじみ感じさせてくれる絵本です。
それにしても冬になるとハリネズミの絵本が読みたくなるのは
どうしてなんでしょう?
ハリネズミ→ハリネズミのチクチク→針→針仕事→暖炉の前でチクチク
縫い物→冬ごもりのイメージってなるんでしょうかね。
『はなおとこ』
ヴィヴィアン・シュワルツ 作 / ほむら ひろし 訳 /
ジョエル・スチュアート 絵 / 偕成社
はなおとこという奇妙なおとこのおはなし。
はなおとこは「せかいのどこかにもっとぼくにぴったりのばしょがあるに
ちがいない。そんなばしょをさがしにいこう」と、まちへ出ました。
ページをめくるごとに、はなおとこがいる場所をよーく眺めてみて
くださいね。
あっと驚く仕掛けがありますよ。
とってもアートな1冊です。
しかもおはなしのしめくくりがなんとも哲学的。
自分の居場所をあちこち探し回った末、はなおとこが気づいたのは・・・
「いつでも どこでも いまいるところが、ぴったりのばしょ」だってこと。
「自分がいるところがせかいのまんなかになるってこと」
それはなぜって目でも耳でも口でもない、私ははなおとこなんだから。
自分が自分であること。
今、ここに在る自分が世界のまんなかだってこと。
自分の人生の主役は自分自身だってこと。
やるじゃん、はなおとこ!
大人が読んでもグッときます。
それでは今日はこのへんで
canon
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17:52
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2015年11月20日
読み聞かせというよりも


石川基子 作 / 講談社
今年の9月に出版された絵本です。
干しシイタケが物語の主人公になるなんて!
さすが、絵本作家は目の付けどころがスゴイ!!
お話のタネはどこにでも、なんにでも宿っているんですね。
干しシイタケをもじってホシジイタケ。
そんでもって相棒はホシバアタケ。
カッラカラに乾いた干しシイタケの老夫婦が素晴らしい
活躍をするおはなしです。
まだまだ若いもんには負けてませんよ~
絵本よりも子どもたちが楽しみにしていてくれたのは
『へんな生きもの へんな生きざま』
早川いくを / エクスナレッジ
先週読んだ『つるにょうぼう』の後に、この図鑑を見せたら
「また見せて!!!!」と熱烈なリクエストを受け、今週も
持っていきました。
地球上にはまだまだ知られざる色んな生き物が
生息しているんですね。
その中でも色や、形態、生態が、“へんだな~”“面白いな~”
“気持ち悪いな~”“うわっ、なんだコレ?!”と思うような、
生き物ばかりを集めた図鑑です。
読み聞かせというよりも、みんなで驚き、楽しむ時間に
なってます。
「うちにも欲しい」と言ってくれた子が何人もいたので、
こういうジャンルの本もあるんだと、本そのもの、そして
地球上に暮らす生き物に興味をもつきっかけになって
くれたはず。
みんなちがって、みんないいというフレーズがとっても
しっくりくる1冊です。
私も欲しいな~と思っているんですけど。
それでは今日はこのへんで
canon
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18:57
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2015年11月18日
八郎

秋田弁に臆せず、ぜひ読んであげてください
今日も自分にとって挑戦の読み聞かせでした。
感動・・・感動・・・感動・・・
素晴らしい時間でした
canon
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17:04
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2015年11月14日
初めてでした

思い
『つるにょうぼう』
矢川澄子 再話 / 赤羽末吉 画 / 福音館書店
を選びました。
昔話・・・
絵が地味だから?
おはなしがちょっと湿っぽいから?
昔の暮らしぶりはピンとこないから?
古臭いから??
理由はわかりませんが、おはなしが始まっているにも
かかわらず、子どもたち何人かのおしゃべりが止まらず、
耐えかねたお友達が小声で注意したのにその子たちは
やめませんでした。
ちゃんと聞いてくれている子もいたのに、迷惑も考えず
しゃべりっぱなし・・・
とうとう私もおはなしを途中でやめにしました。
こんなことは初めてでした。
怒りました。
空気が変わって静かになったけど、続きを読みだしても
なんか身が入らず、昔話の世界観は台無しだなぁ・・・と。
本の好みはそれぞれだと思うけど、色んなお話のジャンルに
触れることもとっても大事なことだと思います。
たくさんの情報があふれて驚くほどのスピードで消費されて
いく今、心の核になるもの、人として大事なものを育てていく
のは大変な作業だと思います。
だからこそ、たとえ数分の読み聞かせの中でも伝えるべき
ものはしっかり伝えて子どもたちの心に残してあげたいなと
思うのです。
私自身の心の核もブレさせないで、読み聞かせ活動を続けます!
それでは今日はこのへんで
canon
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14:43
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2015年11月14日
なんとなんとなんと・・・なにを食べたでしょうか?

『もうぬげない』で大爆笑だった先々週。
翌週もなにか面白い絵本を導入にしようと思い選んだのが
『なにをたべたかわかる?』
長 新太 / 絵本館
ねこが釣り上げた魚をかついで歩いていると、
その魚がどんどん色んなものを食べちゃって、
すっごく重たくなっちゃって。
でもねこは、なんで魚がこんなに重たくなったのか
にはおかまいなし。
しまいにはこの魚をガブリ!
大きなおなかをかかえて帰っていきました。
という単純なストーリなんですが・・・
第三者の目で見たねこと魚の様子が淡々と、見たままを
だけを語っているのがこのおはなしの面白さ。
絵も実にあっさりと語られる事実にのみそって描かれて
います。
この2つが絶妙で、こんなことほんとはありえないのに、
なんの疑問も感じずおはなしを受け入れていけるんです。
子どもたちの反応がいちいち面白かったぁ~。
ありそうでなさそうな、なさそうでありそうな不思議な長新太
ワールド。
なんでもないふりをしていて食べるときだけ目を開く魚の顔、
ねこが大きな魚にかじりつくところ、そして最後のページは
ちょっとしたホラーです。全てが淡々としているだけにゾクッ。
それでは今日はこのへんで
canon
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11:27
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2015年11月13日
初挑戦!

私にこのお話を届ける力があるのか・・・と、読むのを迷っていた絵本。
『泥かぶら』
原作・眞山美保 / 文・くすのき しげのり / 絵・伊藤秀男 /瑞雲舎
おもいきって5年生の教室で読んできました。
正直、やっぱり正味12分ぐらいでは読み切れませんでした・・・。
チャイムが鳴ってしまい、フィナーレを味わって読み、子どもたちに
このおはなしが訴えていることを感じてもらう時間があったかどうか。
20分くらいかけてじっくり読み聞かせたい絵本でした。
劇団「新制作座」によって、1952年の初演以来現在まで日本全国、
果ては海外で15000回以上も演じられてきた舞台劇が絵本化された
『泥かぶら』
人間が生きるうえで大切なことを教えてくれます。
この1回でめげることなく、伝えたいんだ!という思いをこの絵本に
のせて、何度も何度もくりかえし読み聞かせていけたらと思います。
canon
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14:37
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2015年10月30日
笑いすぎにご注意

笑いが止まりません。
ぜひ読んでみてください!
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17:51
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2015年10月30日
2週連続

もうすぐ10月も終わりです!びっくりです。
2015年がもう残り2ヶ月だなんて・・・。
『日々是好日』
1日1日を大切に過ごそうと思います。
読み聞かせは2週連続で「死神」の絵本を読みました。
『黒グルミのからのなかに』
文 ミュリエル・マンゴー / 絵 カルメン・セゴヴィア
訳 とき ありえ / 西村書店
この絵本、まず表紙に注目です。
少年が手にしているものを遠くから見ると旗かな?と
思うのですが、近くで見ると黒い大きなカマだとわかります。
そう、これは死神のカマ。
そして少年の足元には小さな黒いかたまりが・・・
お話は、少年の母親が死にそうなところから始まります。
少年は愛する母親の死をなんとか食い止めたいと必死に
なりますが、母親を迎えにきた死神とバッタリ出くわします。
そして死神からカマを奪い取り、死神を叩いて小さくして、
近くにあった黒グルミの中に押し込めてしまいました。
ところがその時から、世の中の何もかもが死ななくなって
しまったのです。
漁師は魚がとれなくなったと言い、肉屋は牛が逃げてしまって
肉にできないと言い、農夫は刈入れができなくなったと嘆きます。
少年の母親は元気になりました。
でも世の中から死がなくなってしまうということは、とんでもない
混乱をまねくと母親は少年を諭します。
少年から理由を聞いた母親はすぐに死神を探し出すように
言います。
生あっての死
死があっての生
私たちはいかに多くの死によって支えられているかを知り、
誰もが自然の営みに逆らうことなどできないことを知ります。
2週連続で死神の絵本を読んで、今まで怖いイメージで
とらえていた死神の見方が変わりました。
善良な市民に影の様につきまとって、ある日突然だったり、
ジワジワとだったりして、あの世へつれていくものではなく、
「私が迎えにいくその時まで精一杯生きるのだ」と、
死を否定的にとらえるのでなく、1分1秒でも無駄にすることなく
必死で生きて生き抜くことに気づかせてくれるありがたい存在
のように思えてきました。
この絵本の終わりでも、クルミの中から解放された死神は
母親の命をそのまま長らえさせてくれました。
死神が再び母親のもとにやってきたのは、100歳を越えてから
でした。
『命』というものを知った大人になった少年は、穏やかに母親の
死を受け入れました。
6年生が真剣に耳を傾けてくれました。
高学年向きの絵本です。
担任の先生も「深いお話でした~」と感慨深げでした。
来週は11月。
深まる秋か、そろそろ冬支度をテーマに読んでみようと思ってます。
それでは今日はこのへんで
canon
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15:43
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2015年10月23日
いのちとは・・・そして怖さ


今週はハロウィンを意識して選書してみました。
といっても、
選んだ絵本には魔女やおばけかぼちゃは登場せず、
ハロウィン要素ゼロ。
子どもたちはどんな反応をするのか楽しみな絵本でした。
『死神さんとアヒルさん』
ヴォルフ・エァルブルッフ作・絵 / 三浦美紀子 訳 /草土文化
死神さんだなんて、なんとも薄気味悪いタイトルがついた絵本なので、
どんなに怖いお話なんだろうって思ってドキドキしながらページを
めくると・・・
これは「いのち」について考えさせられる、とっても深ーくて哲学的な
絵本なんです。
アヒルさんが感じた気配。
それは死神さんでした。
「だれ?どうして、わたしのあとをつけてくるの?」
「うれしい。やっと気がついてくれたのね。わたし、死神なの」
「あなたが生まれてからずっと、そばにいたのよ・・・そのときのために」
こんなやりとりで始まる2人の関係。
生と死は隣り合わせなんだということを、サラッと語ってしまう、死神さん。
この死神さんはワンピースを着て、手には一輪のチューリップ、
死神のイメージとはかけ離れたいで立ちで登場します。
ちょっと澄ました年上の面倒見がいいお姉さん的な感じ。
面倒見がいい死神さんって・・・
でも、ほんとにアヒルさんの死が近づくまでとっても親身になってくれるん
です。
そしてとうとうその日がきました。
横たわってまぶたを閉じ、微動だにしないアヒルに寄り添う死神さん
亡骸を抱きかかえて水辺に行き、そっと流れに押しやる死神さん
静かにいのちの終わりを見届ける死神さん
死を迎えたものを淡々と送り出すこれら一連の行為は、死神さんに
とってはごく自然で当たり前のことなのです。
最後のページまで読み終わると
死というものはそれほど怖いものではなく、いのちの終わりは
こういうものなのだと、じたばたもせずその日、その時を自然に
受け入れられるものなのだと感じさせてくれます。
この絵本は、6年生の子どもたちに読みました。
どんな思いを感じてくれたのでしょうか?
『くうきにんげん』
綾辻行人 作 / 牧野千穂 絵 / 東雅夫 編 / 岩崎書店
怖い本読んで~と、いつもリクエストしてくれる子どもたちにはこちら。
この絵本は、岩崎書店で人気の“怪談えほん”の最新刊です。
9月末に出版されたばかりなので、まだ子どもたちもあまり目にして
いないだろうと思い、今日こそは怖がらせてやろうと意気込んで教室へ。
読み進めていくうちに、本当に自分の近くにくうきにんげんがきてるん
じゃないか・・・と、じわじわ怖さが増してきたようで・・・
「今日学校から帰るとき、クラスのお友達がみんないるか数えてみてね、
くうきにんげんにされちゃった子がいないかちゃんと確かめてみてよ」
と言って終わりにすると、子どもたち怯えてました。
くうきにんげん
あなたのそばにいるかも・・・
みぎのほっぺとひだりのほっぺを同時にさわられる感じがしたら
御用心・・・
それでは今日はこのへんで
canon
Posted by kakka at
22:01
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2015年10月15日
食欲の秋


おととい、いつも年賀状の印刷を頼んでいるところから
2016年の申込案内が届きました。
もうそんな時期なのね・・・と、しみじみ。
巷では、クリスマスケーキやおせちの申込用紙もあちこちで
見かけるようになりました。
『鷹揚(こうよう)』という言葉を知っていますか?
書いて字のごとく、鷹が空中を飛ぶように、おおらかで威厳のある
様子を表した言葉です。
日々忙しくしていても時間に追われるのではなく、一瞬一瞬を
大切にできる心のゆとりがあることが、鷹のように悠々と空を
舞う『鷹揚』さにつながります。
年末に向けてこんな心持ちでいられたらなと思います。
どんなに忙しくてもこれだけは外せないと思うのが、読み聞かせ。
今週読んだ本はこの2冊です。
『にっぽんのおにぎり』
白央篤司 / 理論社
47都道府県のおにぎりがのっている写真絵本です。
よくぞこんな画期的な絵本をつくってくれました!!と、思わず拍手の
絵本です。
今までこんなにおなかがすく絵本ってあったかしら?
見ているだけで生唾ゴックン、あ~食べたい!って、思わず絵本の
おにぎりに手を伸ばしそうになります。
47都道府県、それぞれの名産品や郷土食を使った特徴あるおにぎり
が珍しかったり、懐かしかったり、本当にどれもこれもおいしそう。
子どもたちには知っている県を言ってもらって、そのページを見せて
一緒に楽しみました。
『まんてんべんとう』
作/ くすのき しげのり 絵/ 伊藤秀男 / フレーベル館
こちらはお弁当のおはなしです。
今日はごはんもの2本立てで選書しました。
なおくんは、お母さんがつくってくれるキャラクターのお弁当が何よりの
楽しみ。
でも遠足の前日、お母さんは風邪をひいて寝込んでしまいました。
(明日のお弁当はどうなるのかな・・・)
お母さん思いのなおくんは、翌朝大胆な行動に出ました。
お母さんのためにぼくは何ができるだろうか・・・?
その行動は、なおくんが一生懸命考えに考えた末のものでした。
子ども側からすれば、「なおくんすごい!」って単純に思うと思います。
でも親の側からだと、「そんなことして!もし何かあったらどうするの!」
と、つい口に出してしまうと思います。
子どものやったことをそれは悪い!と、簡単に決めつけてはいけない
と、この絵本は教えてくれます。お父さんのセリフがまさにそれ。
まず子どもの気持ちに寄り添うこと。
子どもの頑張りを認めてほめること。
親が読んでもジーンとくる絵本です。
関西弁の絵本、初挑戦でしたが、けっこう関西人っぽく読めました◎
1時間目が体育ということで、体操服に着替えておはなしを聞いてくれて
いた子どもたち。
おにぎりとお弁当のおはなしだったから、体動かす前におなかが
すいちゃったかな?
今日の読み聞かせは、自分的には“まんてん”でした。
それでは今日はこのへんで
canon
Posted by kakka at
22:22
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2015年10月07日
秋なので


急に朝晩が冷え込んできましたね。
衣替えももうそろそろかな・・・、でもとりあえずはおるもので
調節して様子を見ようと思う今日この頃です。
先週と今週は秋を意識して、読み聞かせをしました。
『どんぐりむし』
写真 藤丸篤夫 / 文 有沢重雄 / そうえん社
この本は2週連続で読み聞かせに持っていきました。
どの学年にも反応はよかったです。
ひろってきたどんぐりをそのままにしておくと、いつのまにか
ちっちゃな穴があいてきませんか?
虫のしわざだろうなということは薄々感じていましたが、
やっとその正体がわかりました。
穴あけ犯人の正体は・・・・
この本で確認してみてくださいね。
ついでにどんぐりの仲間もわかりますよ。
続いては
『わんぱくだんのどんぐりまつり』
作/ ゆきのゆみこ 上野与志 絵/ 末崎茂樹
ひさかたチャイルド
けん、ひろし、くみの3人で結成されたわんぱくだん。
日常のちょっとしたすきまから異世界に入り込み、様々な
冒険を繰り広げるファンタジー要素満載の人気絵本。
既に19作もシリーズ化されています。
私も子どももわんぱくだんが大好きで、とくに毎回
最後のページがお気に入り。
終わり方は毎度お決まりで、異世界から戻ってくると
一瞬いま体験してきたことはホントのことだったのかな?
って3人とも半信半疑になるんだけど、(もちろん読んでる
方もそんな不思議な気持ちになるんですが)、ちゃんと
体験してきたって証拠が何かしらあるんです。
それを文面や絵から見つけるのが楽しみなんです。
絵本に出てくる等身大の子どもたちが体験する出来事を、
さも自分も体験しているかのように感じて、ハラハラドキドキ
させてくれるところがこの絵本の人気のヒケツなんでしょうね。
もう1冊は
『ちび三郎と魔女 トルコむかしばなし』
バーバラ・ウォーカー ぶん / マイケル・フォアマン え
せた ていじ やく /評論社
この絵本は以前のブログで紹介したことがありますので
内容は省略しますが、とにかく毎回怖い本を読んでとリクエスト
されるのでこれを選んでみました。
が、下読み不足だったため、むかしの言い回しに途中(ん?)と
何回かつかえてしまうところがあったり、もう少し魔女のおばあさん
っぽく読んだ方が怖さが増したかな・・・と反省多々。
臨場感出せたらもっと子どもたち怖がってくれただろうなと思います。
ハロウィンも近いので再挑戦してみようかな。
秋が深まってくると読みたい本が増えてきます。
それでは今日はこのへんで
canon
Posted by kakka at
16:51
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2015年09月27日
予想外


雨降りの週末・・・
庭に出ると雨をまとった金木犀の香りがよりふくよかに漂ってきます
過ごしやすい季節になったなぁと感じます。
シルバーウイーク明けの24日、休み明け疲労感ありありでしたが、
子どもたちからエネルギーをもらおう!と読み聞かせに行ってきました。
家で初読みしたときはあまり心が動かされなかったのですが、集団の
読み聞かせなら反応が違うかも・・・と思い持参したのが
『いがぐり星人グリたろう』
大島妙子 / あかね書房
10月のある日庭のかきの木にでっかいくりが?!
パッカーンと割れたくりの中から出てきたのは、ちっちゃくてかわいい・・・
宇宙人??
いがぐりから生まれたから“グリたろう”と命名され、家族の一員に。
グりたろうのしぐさや表情がとってもお茶目で、またたくまにグりたろうは
家族みんなのアイドルになっちゃいました。
グりたろうのいる日常が当たり前になっていた11月のある日。
みんなが大好物の焼き甘栗を食べようとしたら、グりたろうの目から涙が。
「おとうさんおかあさんのことを思い出したのかもしれない・・・」
そう感じたみんなは甘栗を1個も食べず戸棚にしまい、お父さんはいがぐり
宇宙船の修理を本格的に始めました。
そして初雪が舞う12月のある日。
雪にまぎれていくつものいがぐり宇宙船が空から降りてきました。
いよいよグりたろうとお別れの瞬間・・・
手の中にピョンと飛びこんできたグりたろうのぬくもりを感じ、包み込んだ
手を開くことができずにいるボク。
読み聞かせをしていると一人読みをしていた時とは全く違った感覚になり、
最後の場面では私もホロリとしてしまいました。
このクラスの子どもたちは(面白くないなー)と思うと席を立ったり、別のことを
始めちゃう子がいたり、おしゃべりが聞こえてくるという読み手泣かせのところも
あるんですが、逆にいうととっても正直なんですよね。
なので今日の本は反応がどうかなと不安があったのですが、予想外に表紙から
とってもくいつきがよく、読み始めたとたんにシーンとなり、最後、絵本を閉じて
裏表紙を見せるまで集中力が途切れず、裏表紙の絵にまでお話の余韻を感じて
見つめて、発見を楽しんでくれていました。
グリたろう、ボク、家族、それぞれに心を添わせ、絵とおはなしを存分に楽しんで
くれていたんだなと感じることができました。
子どもが絵本を読み取る力を甘く見てはダメだなと感じさせてくれる1冊でした。
もう1冊は
『でっかいでっかいモヤモヤ袋』
さく ヴァージニア・アイアンサイド / え フランク・ロジャース
やく 左近リベカ / そうえん社
しあわせだったジェニーなのに、ある時からモヤモヤした気持ちがいろんなことに
わいてきて、ある朝起きたらベッドのわきにドッカリとモヤモヤ袋が落ちていた。
そのモヤモヤ袋はどこへでもなにをしていてもついてきて片時も離れない。
捨てようとしても、無視しようとしてもダメ。
影のようにジェニーにまとわりついてどうにもできない。
家族でも、先生でもどうにもならず、ジェニーはモヤモヤ袋に押しつぶされそうに
なっていました。
そんなとき、隣に住むおばあちゃんがモヤモヤ袋の中たっぷりつまったモヤモヤの
片付け方を教えてくれました。
コツその1 どんなに小さなモヤモヤでも1つ1つゆっくり出すこと
コツその2 だれかに見せながら出すこと
コツその3 モヤモヤのグループわけをする
コツその4 それぞれのモヤモヤに適した処理をする
子どもたちがもつ日常の不安な気持ちをどうしたら軽くできるかって、この絵本が
やさしく教えてくれます。
次回は動物の本がいいとリクエストがあったので、探してきます。
それでは今日はこのへんで
canon
Posted by kakka at
18:01
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